当社は、常にお客様のニーズを第一に、100年の歴史を持つソーダ電解技術と電極技術をベースとして進化し続けております。
大阪ソーダグループは、1916年(大正5年)に、日本で最初に水銀法食塩電解槽の操業を開始して以来、数々の技術で化学工業の発展に貢献してきました。当社は、創業以来蓄積してきた電気化学的知見並びに電解技術とノウハウを基に、独自の金属製電極技術を確立し、チタンやニッケルなどのベース金属に貴金属(=触媒)がコーティング(坦持)された電極を、ソーダ工業用をはじめ、電気めっき工業用、民生用に至るまで幅広い分野に展開しています。
当社は、ソーダ工業分野で、小規模電解槽による電極の評価をはじめ、大阪ソーダグループが所有している商業設備を活用して、電解槽およびその周辺設備の運転ノウハウの蓄積と技術開発を行っております。これによって実証された電極を活用しているため、お客様並びに大阪ソーダグループの各商業電解槽に安心して電極をご使用頂いております。
また、電気めっき工業分野では、お客様のご要望に応えて開発を継続した結果、電極の長寿命化を達成しております。特に、鋼板電気亜鉛めっき工業分野では、100A/dm2以上の非常に高い電流密度での運転が求められておりますが、当社は、独自に開発した技術により、業界で一番ご評価頂ける性能を達成しており、国内では80%以上のシェアを確保しております。
NEOLORDTMは、チタンやニッケルなどのベース金属として、表面に白金族金属を主成分とするコーティング液を塗布・焼成し、当社独自の電気化学的触媒機能を発言させており、ソーダ工業用の分野に留まらず、電解プロセスに幅広く採用されています。当社の酸化イリジウム系電極(=白金族金属電極)では、鉛合金電極*に比べて、電解電圧を低減するだけでなく、スラッジの生成がないので電解浴の管理が容易となり、また重量も軽く、身体への悪影響もないことから作業環境を大きく改善することができます。
また、当社の電極は、様々な電解プロセスで高い耐久性を実現しているため経済性に優れています。さらに、貴金属に使用される素材は、身体は勿論、環境への影響のない白金族金属を使用しているため安全性にも優れております。このため、当社電極を装着した電解槽の周辺設備メンテナンスや廃液処理費削減の観点からも優れた効果を発揮し、お客様の製造コストダウンを提案、実現し、環境保全に貢献しています。
当社は、お客様のご要望に応じて電極形状設計、電極触媒選定、電解槽運転までの総合的な技術提案をすることが可能であり、数多くのお客様より継続的にご愛用頂いております。
*:これまで一般的に使用されている鉛合金電極は、電解中に触媒となる鉛合金が大きく剥離、または鉛化合物としてスラッジとなり、プロセスの安定操業に悪影響を及ぼします。また、鉛または鉛化合物は、身体に有害な影響を与えることが問題視されており、めっき工業分野は勿論、基幹産業では鉛フリーの対応を行っております。